母の日と父の日の由来

  5月の第2日曜日といえば、「母の日」。
 日本でもすっかり定着し、このころになるとカーネーションが花屋の店頭に並びますが、いったいどのようにして始まったのでしょう。
 それは、今から100年ほど前にさかのぼります。
 アメリカのフィラデルフィアに、アンナ・ジャービスという女性がおり、その母親は1905年の5月に天国に召されました。
 母親を深く愛していたアンナは、1907年、支援者たちと共に全国的な「母の日」の普及運動を始めました。そして、母親の命日に、ウェストバージニアの教会で「母の日」を祝いました。これが、5月の第2日曜日だったのです。
 次第にこの運動は広まって行き、1911年までには、ほとんどの州で「母の日」が祝われるようになりました。
 そして、1914年、ウィルソン大統領の提唱で、議会は5月の第2日曜日を国民の祝日「母の日」と制定したのです。
 日本では、大正時代に始めて「母の日」が祝われましたが、一般に普及して行ったのは、第二次大戦後のことです。
 ところで、「母の日」にカーネーションを贈るのは、アンナが、母親の大好きだった白いカーネーションを、追悼会で配ったことから来ています。

  さて、6月の「父の日」も、やはりアメリカで生まれました。
 1909年、ワシントン州のソナラ・ドッド(ジョン・ブルース・ドッド夫人)という女性は、「母の日」の説教を聞いていて、「父の日」もあるべきだと考えました。母親の亡き後、ソナラと5人の兄を男手一つで育ててくれた父親を敬愛していたからです。
 父親が6月生まれだったため、ソナラは自分が通う教会の牧師に頼み、6月に「父の日」を祝う礼拝をしてもらいました。それは、1909年6月19日で、第3日曜日でした。
 これがもとで、ワシントン州では6月の第3日曜日が「父の日」となったのです。
 それから、幾人かの大統領によって「父の日」に関する声明などが出されましたが、実際に国民の祝日として定められたのは、1972年のことです。

 こうして、「母の日」も「父の日」も、クリスチャン女性によって、親への深い愛と感謝をこめて始められたわけです。この日は、プレゼントやカードもいいですが、何よりも心からの感謝を贈りましょう。
 普段はついあたりまえに思い、忘れがちな親の愛ですが、実は、私たちは神様に対しても、同じことをしています。その愛は、あまりにも自然に日々私たちに注がれているので、感謝するのを忘れがちです。これを機会に、もっと「天にいるお父さん」である神様にも感謝するようにしたいものです。